TikTokは、当初10代の若年層が動画を楽しむためのプラットフォームでしたが、今ではSNSマーケティングに活用する企業が増えています。
しかし、TikTokでマーケティングを行うためには、TikTokマーケティングのメリット・デメリット・活用方法を熟知していなければ、ただただ無為な動画を投稿し続けることになりかねません。
本記事では、TikTokマーケティングとは何か、企業が活用するコツを中心に、TikTokをビジネスに活かす方法を解説しています。
TikTokマーケティングをこれから始めたい企業の方、TikTokマーケティングが自社でうまく行えていない方は必見です。
目次
TikTokマーケティングとは
TikTokは縦型動画を投稿できるSNSプラットフォームで、15秒から最大10分までの動画を投稿できます。
TikTokは動画を投稿するプラットフォームなので、テキストや写真よりも伝えられる情報量が多く、また動画をショート動画のようにコンパクトにすることで、ユーザーを飽きさせずに視聴完了させることができます。
このように、TikTokのアルゴリズムやターゲットユーザーを意識したマーケティングのことをTikTokマーケティングと呼びます。
TikTokマーケティングのメリット
TikTokマーケティングには、以下のメリットがあります。
- 拡散されやすい
- 広告が最後まで視聴されやすい
- 他のSNSに導線をつなげやすい
- 動画1本でも「バズ」を生みやすい
- 海外ユーザーにアピールしやすい
- TikTokからの収益が見込める
ここからは、TikTokのアルゴリズムとともに、TikTokマーケティングのメリットを詳しく紹介します。
拡散されやすい
TikTokマーケティングのメリットは拡散されやすいことです。
TikTokは、動画が投稿されると「動画ごと」にAIが動画を審査します。
この段階で、TikTokの利用規約やコミュニティガイドラインに違反するかどうかを判断され、問題がなければ一部のユーザーに対して「おすすめ」として表示されます。
その後、ユーザーの反応が高ければ、全体の「おすすめ」として表示も可能です。
TikTokではこれらのアルゴリズムや「バズる方法」を知っていれば知っているほど、ユーザーの目に留まり、拡散されやすい動画制作ができます。
また実際にユーザー間でも拡散・共有されやすいです。
したがって、TikTokマーケティングのメリットとしては拡散されやすいことが挙げられます。
広告が最後まで視聴されやすい
TikTokマーケティングのメリットには、広告が最後まで視聴されやすいことも挙げられます。
理由は以下の3つです。
- TikTok動画は縦型かつフルスクリーンなので没入感を得やすい
- 静止画よりもユーザーの目を惹きやすい
- ショート動画を使うことでスキップされにくい
TikTokを広告に使う場合、TikTokのトレンド音源を使用すれば、さらに視聴完了率が高まります。
たとえ広告であっても、インパクトの高い動画を作成することで、最後まで視聴されやすいのもTikTokマーケティングのメリットです。
他のSNSに導線をつなげやすい
TikTokは、ターゲットユーザー以外の不特定のユーザーにもリーチができます。
したがって、最初にTikTokでユーザーの興味を引いてから、YouTubeやInstagramなどの他媒体に誘導できる導線設計のしやすさもTikTokマーケティングのメリットです。
また、TikTokで利用される縦型のフルスクリーン動画は、編集し直すことでInstagramやYouTubeショートにも活用できます。
他のSNSへの導線をつなげやすいことも、TikTokをマーケティングに活用するメリットです。
動画1本でも「バズ」を生みやすい
TikTokのアルゴリズムは、フォロワー数やアカウント運用年数に左右されないという特徴があります。
たとえ動画1本だけでも、コンテンツの内容が良く、ユーザーに受け入れられれば、再生回数が増加しやすいのもTikTokマーケティングのメリットです。
特にTikTokは短尺動画でも評価に影響がないので、動画マーケティングをしてみたいけれど予算がかけられない、といった企業にとっては、低予算で「バズ」を生みやすいプラットフォームであるとも言えます。
ただし、やみくもに動画を制作・投稿しても認知の獲得や集客にはつなげにくいので、TikTokのコンサルや運用代行を上手に活用するのがおすすめです。
海外ユーザーにアピールしやすい
Statista Japanの統計によると、2024年1月現在のTikTok の利用者数が最も多い国はアメリカとなっており、インドネシア・ブラジル・メキシコ・ベトナムと続きます。
(出典:Digital 2024: Global Overview Report)
また、TikTok には自動翻訳機能があり、かつ動画という「言語がわからなくても意味はわかる」プラットフォームでもあるので、海外向けに訴求しやすいこともポイントといえます。
TikTokからの収益が見込める
TikTokではプロフィール欄に企業のURLを記載できます。
そこから間接的に商品購入に導線を引けるため、TikTok 経由の収益も見込めます。
TikTokでは、TikTok Shoppingという投稿から商品を直接購入する機能があります。
しかし、残念ながら日本では未導入となるため、あくまでTikTokの投稿で商品や企業の認知を取り、その後の導線設計で商品購入につなげていくことが現時点では大切です。
TikTokマーケティングのデメリット
広告色を出しにくく、さまざまな訴求をしやすいTikTokマーケティングですが、一方でデメリットもあります。
具体的には以下の4つです。
- 炎上しやすい
- ステマと誤解されやすい
- ターゲットユーザーが限定されやすい
- 著作権侵害に抵触しやすい
ここからは、TikTokマーケティングのデメリットを紹介します。
炎上しやすい
TikTokは他のSNSプラットフォームよりもシェアやコメントが手軽に行え、またエンゲージメント率も高いです。
逆に言えば、不適切な投稿から炎上までのスピードが速いとも言えるため、投稿には注意が必要です。
特に企業では、軽い気持ちで行った投稿がユーザーの反感を買い、炎上から不買運動につながったり、企業の信用度が下がるケースもままあります。
上場企業にとっては株価が下落する一因にもなるので、投稿前に不適切な内容になっていないかをさまざまな世代・ジェンダーで複数回チェックするのがおすすめです。
ステマと誤解されやすい
TikTokでは、広告色が出にくいのが投稿のメリットではあります。
しかし、TikTok広告や、インフルエンサーを使った投稿において「広告であること」を明記しない場合、ステルスマーケティング(ユーザーに広告であることを隠すこと)と見なされ、大きな反感を買う可能性もあります。
「一方で、広告・宣伝であることが分からないと、企業ではない第三者の感想であると誤って認識してしまい、その表示の内容をそのまま受けとってしまい、消費者が自主的かつ合理的に商品・サービスを選ぶことが出来なくなるかもしれません。」
(出典:令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。/消費者庁)
消費者庁でもこのように警告していることから、広告であることを隠すことは、もはや企業にとって悪手です。
広告やインフルエンサーマーケティングの場合は、しっかりと広告であることを告知しましょう。
ターゲットユーザーが限定されやすい
TikTokは、利用ユーザーの平均年齢が36歳※で、ユーザーのボリュームゾーンは10~30代です。
2年前の調査に比べて、利用ユーザーの平均年齢が2歳上昇した原因は、60代のユーザーが増えたことに起因していますが、以前としてTikTokのターゲットユーザーは若年層が多いといえます。
したがって、BtoB商材はTikTokでは訴求しにくく、商材も10~30代が購買できる低単価のものに限定されやすいのがTikTokマーケティングのデメリットです。
また、複雑な説明が必要な株や不動産は、ショートコンテンツがメインのTikTokでは訴求しにくいため、YouTubeへの導線を作るなど、別途施策が必要です。
(参考:コンテンツファン消費行動調査/博報堂DYメディアパートナーズ・博報堂)
著作権侵害に抵触しやすい
TikTokでは音源を使用するため、知らずに利用すると著作権侵害に当たるケースもあります。
TikTokで著作権侵害に抵触しやすいケースには以下があります。
- TikTokに登録されている楽曲を自分の持っているCDなどからアップロードした
- ドラマ・映画の切り抜きなどの音声を使用した
- アニメの音声を引用した
TikTokで著作権侵害に抵触すると、ユーザー名の下に「アカウント警告」が赤字で表示されたり、動画が強制削除されるほか、法的措置の検討もありえます。
TikTok動画に使用する音源については、TikTokが公式提供している楽曲を使用し、他SNSに流用する場合は、別途編集にて音源を変更しなければいけません。
このように、TikTokには動画制作や音源の利用に関して、さまざまな規約やルールがあります。特に企業でTikTokを運用する場合、法律に抵触すると企業イメージの低下は避けられません。
EMOLVAではTikTok運用代行以外にもさまざまな相談を受け付けておりますので、ご不安な点があれば一度ご相談ください!
TikTokマーケティングの活用方法
TikTokマーケティングを活用するには、ビジネスアカウントを作成し運用するほか、広告出稿やインフルエンサーを使ったプロモーションがあります。
ここからは、TikTokマーケティングの活用方法を詳しく紹介します。
ビジネスアカウントの運用
TikTokには企業や個人事業主がビジネス利用をするための「ビジネスアカウント」があります。
個人アカウントとの違いは以下です。
- インサイト分析ができる
- 動画分析ができる
- アカウントのカテゴリー選択ができる
- 外部リンクをプロフィールに設置できる
TikTokマーケティングをする場合、ビジネスアカウントを作成し、運用する必要があります。
TikTokをビジネスアカウントにすることで、動画ごとの合計再生回数や視聴時間、平均視聴時間や視聴者がどこで動画を閲覧しているかなどの情報を手に入れられるからです。
また、自社動画を振り返る場合も、ビジネスアカウントではフォロワー属性も見られるようになっています。
TikTokビジネスアカウントの作成は、アカウント登録後にプロフィールから「設定とプライバシー」を開き「アカウント」をクリックしたのち「ビジネスアカウントに切り替える」をクリックで完了します。
自社のターゲットユーザーと実際の視聴者との差分をチェックしたり、どのような潜在ユーザーがいるのかをチェックするためには、ビジネスアカウントを作成し、運用しましょう。
TikTok広告の出稿
TikTokマーケティングを加速させたいなら、TikTok広告の出稿も検討することをおすすめします。
TikTok広告は、以下の4種類です。
- 起動画面広告:アプリ起動時に全画面に広告が表示される課金型の純広告
- 運用型広告:自分で運用する広告。クリック・インプレッション・再生など自分で選択できる
- インフィード広告:「おすすめ」欄に表示させるための純広告
- ハッシュタグチャレンジ広告:企業が作成した特定のハッシュタグを使ったユーザー参加型の広告
しかし、広告出稿には費用がかかるため、やみくもに費用を投入しても効果が出にくい可能性が高いです。
TikTokで広告を出稿する場合、ターゲットユーザーを詳細に選定し、確実に集客や購買につなげる広告を検討しなければいけません。
TikTok運用を始めたばかりの企業にとってはハードルが高いので、TikTokマーケティングに精通している企業に相談することをおすすめします。
インフルエンサーによるプロモーション
TikTok広告の中でも、世界的に人気の高いものが「ハッシュタグチャレンジ」と呼ばれるものです。
ハッシュタグチャレンジでは、企業が作成した特定のハッシュタグをつけて、インフルエンサーが歌やダンスを投稿し、投稿を見ている視聴者に参加を促すシステムになっています。
インフルエンサーを通じて自然発生的に認知の拡大ができ、また視聴者による自然なコンテンツ(UGC:User Generated Content)ができるので、商品やサービスに対する信頼感が上がることがメリットです。
インフルエンサーによるプロモーションには、企業によるインフルエンサーの選定や投稿への指示、商品の発送といった煩雑な作業があり、かつインフルエンサーにも得意なジャンルがあるので、一般企業がインフルエンサーマーケティングを行うのは負荷が大きいでしょう。
インフルエンサー選びを誤ると、商品認知が取れないほか、炎上して企業イメージの失墜になりかねません。
インフルエンサーを使ったプロモーションを行いたい場合は、インフルエンサーマーケティングの専門家に相談することをおすすめします。
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TikTokを使った企業の成功事例
「TikTokは若い世代が楽しむもの」
とお考えの方にとって、TikTokマーケティングは想像しにくいかもしれません。
そこで、ここからはTikTokを使った企業の成功事例を3つ紹介します。
EMOLVA
株式会社EMOLVAの社長榊原氏によるTikTokアカウントです。
榊原氏はアカウントを2つに分けて運営しており、片方はアニメの紹介に特化し、もう片方は社員を巻き込んだ事業家としてのアカウントになっています。
両方のアカウントに共通していることは、視聴者に徹底的に寄り添い、キャッチ―で見やすく、そして視聴者が「知りたい」情報を必ず提供していることです。
企業アカウントでは、つい自社でアピールしたいことが先に立ってしまい、視聴者を置いてけぼりにする「自己満足」のようなアカウントも見受けられます。
しかし、一度ターゲットユーザーをしっかり精査した上で、どのような投稿をすればいいのか、ということを常に問い続ける姿勢が企業アカウントには必要です。
EMOLVAのTikTok運用は、徹底的なユーザー目線に立つアカウントのお手本といえるでしょう。
ANA
ANAでは、撮影・編集・投稿をすべて社員が行うという方法でTikTokを運用しています。
乗客として利用する際にも企業やフライトの裏側を知っていることで、より親近感を持ち、ライバル会社よりも利用したくなるという「ファン心理」を働かせることが可能です。
また、TikTokを見ている世代に向けて、各職種の方々へのインタビュー動画を投稿することで、企業に対する具体的なイメージを持ってもらい、未来の採用に向けたコンテンツとしても一役買っています。
アサヒグループ食品
アサヒグループ食品は、同社商品のさりげないPRのお手本といえるアカウントです。
ただ単に商品を紹介するだけでなく、献立に頭を悩ませやすい「お弁当」や、気軽にプレゼントしやすい「ギフト」のアイディアを動画として投稿しています。
実際の使用例を交えながら、ユーザーの「真似できそう!」「やってみたい!」を引き出しているため、広告色が抑えられ、つい購入したくなる仕掛けのある投稿が特徴です。
TikTokマーケティングを成功させるコツ
企業がTikTokマーケティングを成功させるには、TikTokのアルゴリズムの他に知っておきたいコツがあります。
ここからは、TikTokマーケティングを成功させるコツを5つ紹介します。
トレンドを意識する
TikTokはトレンドを意識することで、視聴回数やフォロワーを増やしやすくなります。
しかし、TikTokでは主なユーザーが若年層ということもあり、トレンドが短期間で変わりやすいため、常に流行やトレンドの傾向をキャッチアップしなければいけません。
TikTokで今何が流行しているかを確認するには、TikTokの画面下の「トレンド」をタップし、表示されている人気の動画やハッシュタグ、クリエイターを見たり、自社で検索していく方法があります。
これらの方法で、ユーザーの目線を意識し、受け入れられるコンテンツを作成し投稿していくことが、TikTokマーケティングを成功させるコツです。
TikTokならではの機能を活用する
TikTokには投票機能やプレイリストが作成できるなど、TikTokならではの機能があります。
これらの機能を使ってユーザーやフォロワーとのコミュニケーションを取ることで、より企業とユーザーとの距離が縮まります。
また、プレイリストは、系統の違う動画の整理に役立つので、興味を持ったユーザーが情報を網羅的に見るために必要です。
TikTokの機能を活用することで、よりユーザー目線に立ったアカウント運用が可能となり、TikTokマーケティングにも役立ちます。
アカウントのオリジナリティ・人間味を出す
TikTokはユーザーとの距離が近いプラットフォームです。
したがって、企業アカウントであっても、あからさまに企業色を出すよりも「中の人」や社員を使って人間味を出す方が受け入れられやすい傾向にあります。
企業アカウントにおいては、格式や企業イメージを重視するあまり、なかなかくだけた投稿を思いつかない、という方も多いでしょう。
企業イメージを守り、炎上を避けながら、アカウントに「人間味」を出したい方は、一度EMOLVAにご相談ください。
TikTok運用の悩みを伺いながら、貴社にぴったりのアカウント戦略を作成します。
他導線にリンクする
TikTokはビジネスアカウントに切り替えることで、プロフィールページにURLを記載できます。
したがって、TikTokアカウント設計の際に、投稿からどのURLに遷移して、最終的にどこに着地するのか、どのようにコンバージョンを獲得するのかを検討しなければいけません。
他のSNSに誘導するのか、自社のホームページに遷移させるのか、投稿から視聴者にどんな行動を取って欲しいのかまで、最初にしっかり戦略を練っておくこともTikTokマーケティングを成功させるコツです。
インフルエンサーマーケティングを取り入れる
TikTokではハッシュタグチャレンジが伸びやすいので、インフルエンサーを使ったマーケティング手法を使うことで、TikTokマーケティングが加速しやすいです。
インフルエンサーマーケティングには、商品紹介やハッシュタグチャレンジの動画投稿など、さまざまな手法があります。
「費用がかかるから」
という理由で、インフルエンサーマーケティングは敬遠されがちですが、EMOLVAでは10万円から出稿できるインフルエンサーキャスティングサービスもご用意しております。
初めてのインフルエンサー施策でどこから手を着けていいかわからない、費用対効果が不明なものに予算をかけるのはナンセンス、とお考えの企業様にもご納得いただけるサービスですので、一度弊社の「INFLUENCER CLOUD」をご検討ください。
インフルエンサーの選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
TikTokマーケティングと活用方法|まとめ
TikTokマーケティングの概要と実際の事例、そして活用のコツを紹介しました。
TikTokは現在若年層の利用が多いSNSプラットフォームではありますが、年々利用ユーザーの平均年齢は上昇しています。
また、TikTok向けの縦型動画は、短尺で制作コストが抑えられる上、他SNSにも転用しやすいことから、今後TikTokマーケティングは市場を伸ばしていくでしょう。
企業においては、TikTokマーケティングの手法を知り、自社に合ったマーケティング戦略を作っていくことが、認知・集客・収益・採用の要になります。
本記事を通してさらにTikTokマーケティングを実施してみたい、とお思いになったら、ぜひ弊社EMOLVAにお問合せください。
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